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自分がこの部署で初めて担当する、新規の仕事として、会計システム再構築を行う際に、間接費を削減してトータルの開発コストを抑制していく手立てはつきました。
しかし、SEの人件費である直接費の算定根拠についてよくわからないことから、教えてください。

 

回答

ベンダー側は、立替払いに過ぎない間接費で利益を出すわけではなく、あくまでも人件費などの直接費から利益を産み出します。
したがって、顧客に示しているSEなどのエンジニア単価こそが、販売価格となり、

1.原価→ベンダー側がSEなどエンジニアに支払う人件費や販売管理費を、案件ごとに配分する。
2.利益→該当する案件で得る利益を上乗せする。
3.リスク費→プロジェクトで問題が発生した場合に備え、予備費をプールしておき、例えばよりリスクの高い新技術を採用したプロジェクトには、多めに引き当てる。

こうした項目から利益を確保していきますが、ほとんどのベンダーは工数を余裕目に増やしていくことで、リスク費を確保する傾向が強いようです。

それでは、1にあります原価のうち、労務費や販売管理費の比率と、利益やリスク費についてですが、当然ながら案件ごとに大きな差異が生じていますが、一般的に、原価:利益:リスク費の比率として、4:4:2の法則が成り立つと言われています。

例)総額3000万円の開発案件の場合

直接費:2400万円
間接費: 600万円(8:2の法則が成り立つ場合)

原価:  960万円
利益:  960万円
リスク費:480万円(4:4:2の法則が成り立つ場合)

本当の原価については、
直接費の原価+間接費=960万円+600万円=1560万円

となります。

SEのエンジニア単価と工数について、その工数に関する見積ですが、工数の見積は、主に(1)事例類推法と(2)ファンクション・ポイント法(FP法)の2つが挙げられます。

(1)事例類推法
過去に行った類似の案件をもとに、新規プロジェクトの規模を見積もる手法です。
見積策定自体は、比較的楽に出来ますが、その精度があまり高くありません。

(2)ファンクション・ポイント法(FP法)
外部入出力など5つのデータを抽出し、処理の複雑さによって決まる係数を掛け合わせて、規模(ファンクション・ポイント)を求める、科学的な方法です。精度が高いものの、算出に手間がかかります。

また、よくある事例で注意するべき点なのですが、システム開発の作業量が見積とは異なって大幅に膨れ上がり、予算がオーバーして後の段階での対処が大変だ、という場合があります。

例えば、
「当初もらった見積の範囲内で収まることは、ごく稀だ」
「実際の開発費は、超えても下回ることはない」

見積オーバーの多発する最大の原因は、当初の見積段階でシステムの要件・仕様などが固まっていないことから、正確な見積にならないためです。さらに当初の見積では仕様が満たされていない場合、追加の機能追加や変更などが発生すれば、当然ながら開発費は増えることになります。

機能追加や変更は、打合せなどで現場の要求がきっかけとなって発生する場合が多いですが、この場合の追加分は、ユーザー側が負担する場合がほとんどです。

トラブルになるケースの多くは、ユーザー側が当初から要件に盛り込んだつもりのものを、開発するベンダー側が認識していなかった場合です。その場合、最終的な場面で、言った言わないの問題や、費用の負担について、もめることが少なくありません。

こうしたトラブルに対する対処方法は、常日頃から打ち合わせ内容の議事録やメモを常に残していくことがありますが、必ずしも絶対的な解決策はないことから、最終的には、双方ともあいこの形で、ユーザーとベンダーがそれぞれ開発費を負担する場合が多いようです。

半年ほど前に営業から、情報システムに異動になりました。
自分がこの部署で初めて担当する、新規の仕事として、会計システム再構築を行うことになりました。その際、見積を頼むときに、既存・新規を問わずいくつかのベンダーさんやシステムインテグレータさんから、取寄せました。
が、内容がバラバラかつ、算定根拠の分からないものがたくさんあり、自分が営業時代にお客様に作成した見積と大きく異なります。
今回はシステム開発にある、見積の独特の用語などを含めて、今後の判断材料とするため、色々と教えてください。まずは用語からお聞きしたいのですが、 プロジェクト管理費とは何でしょうか?

 

回答

プロジェクト管理費とは、プロジェクトの責任者(プロジェクトマネージャ)が進捗管理や品質管理などに要する、マネジメントに関する費用のことを指します。ある意味ではプロジェクトマネジャの人件費と言っても良いでしょう。
システム開発などの見積で、SEの開発費用である人月工数の総合計額(SEの1ヶ月あたりの単価×工数×開発期間)のうち、7~10%を掛け合わせた額が、管理費となります。

こうしたことから、ベンダーの営業担当者から、「あくまで消費税や、飲食店などでのサービス料のようなものとご認識頂けましたら・・・」というような説明をすることが多いようです。


また見積などに出てきます「リスク費」は、プロジェクトの難航に備えて、あらかじめ顧客から要求しておく予備費を指します。
顧客に成果物の納入を保証する請負契約の場合、当初の見積で想定した工数より超えてしまうと、その増加分はベンダー側の損失で持ち出しになってしまいます。そのためにリスク費を見積に載せているか、場合によっては見積に載せずに他のコストに転嫁してひっそりと上乗せする場合もあります。
こうしたリスク費は、プロジェクトの規模や難易度によって算出する場合がほとんどで、その率は数%から多いところでは20%まであると言われています。


システム開発に関する見積は、通常のモノを売買とは異なる要素が多いことから、判断しかねる要素が少なくありません。システム構築費は大体、ハードの代金・ソフトのライセンス代・システム開発費の3つに分けられますが、一般的にその比率などは、ハード・ソフト・開発費の比率は、一般的に1:1:3と言われています。日本企業では、パッケージよりもオーダーメイドを好む傾向があるため、費用が膨れ上がる傾向が強いと言われています。

やや掘り下げた話になるのですが、システム開発の費用の内訳も、SEの工数とその他の費用で分かれている場合もあります。
開発費の内訳も、なかなか分かりづらいものと言えるでしょう。システム開発費の多くは、直接費と間接費に2分されます。

(1)直接費→SEの単価×工数といった、開発に係る人件費
(2)間接費→システム開発での必要経費。具体的には、ユーザー企業に隣接する
場所で開発する場合には、オフィスの賃借料・マシンのレンタル料・エンジニアの交通費などが含まれます。

その比率は、7:3から8:2くらいが一般的と言えるでしょう。

システム開発などに関する提案書には、業者さんなどから、具体的にどのような点を盛り込んでもらうべきでしょうか?また、その内容に関して、どのような点に気をつければよいでしょうか? 

 

回答

システム開発に関する提案書を、システムインテグレータなどの開発業者に依頼していく場合には、少なくとも、以下のような順序で業務を進めていくと良いでしょう。

1.今後の目的と改善点について、システム業者に明確に伝える。 
情報システムの導入・開発について、業者側がその理由や主旨を理解していないと、納得の行く提案を得ることが難しくなることから、システム化の背景や今後の経営戦略の概要をはっきりさせたうえで、その経営戦略を具現化させる目標として、どのような機能が必要なのかをはっきりしていくと良いでしょう。 

2.内容によっては、機密保持契約を交わす。 
顧客管理・会計・物流など、自社の経営の根幹に関するシステムの場合、説明段階の当初から機密保持契約を結び、発注するしないにかかわらず、外部に取引の内容自体を明らかにしないようにしておくと良いでしょう。

3.最低3~4社に提案を依頼し、各社の提案書を比較検討する。 
どんなに優れた提案の場合でも、1社しかない場合には、内容の良し悪しが判断できないことから、提案内容・基本方針・価格など、少なくとも3~4社と比較しておくと良いでしょう。 

4.比較検討を容易にするため、提案書の項目を統一し、合同説明会を開く 
仮に優れた提案でも、各社ごとに違う様式・書式などの契約書では、読んで判断する側でも混乱しやすくなることから、共通の説明会を開き、同じ内容を把握してもらってから、同じ書式の提案書を作成する形にすると、より状況が把握しやすくなります。 

また、提案書を依頼する際に、より質の高い提案書を求めている場合には、内容によって異なりますが、1社あたり5万円から20万円の提案費用を用意すると、内容の質が大幅に向上しますので、検討すると良いでしょう。
こうして、実際に提出された各社の提案書の内容を、具体的に判断する材料は、以下の内容などをポイントに、優劣を見極めていくと良いでしょう。


以上が基本的なポイントになりますが、実際にシステムインテグレータから、提案書と見積をそれぞれ取寄せた場合には、その書式や提案内容にばらつきがあることから、極めて判断しづらく、また説明しても認識のズレなどが生じることもありますので、極力説明会を開くなど共通した条件で、一斉に取寄せていくと良いでしょう。その具体的な判断基準や、項目については、以下の通りです。


1.システム概要
(1)システム化の目的・方針
(2)解決したい課題
(3)狙いとする効果
(4)現行システムとの関連
(5)会社・組織概要
(6)予算

2.提案依頼の手続き
(1)提案手続き・スケジュール
(2)提案依頼書(RFP)に対する対応窓ロ
(3)提供資料
(4)参加資格条件
(5)選定方法

3.提案して頂きたい事項
(1)提案企業情報
(2)提案範囲
(3)システム構成
(4)運用条件
(5)納期およびスケジュール
(6)納品条件
(7)定例報告および共同レビュー
(8)開発管理・開発手法・開発言語
(9)移行方法
(10)教育訓練
(11)費用見積

4.開発に関する条件
(1)開発期間・場所
(2)開発用コンピュータ機器・使用材料の負担
(3)貸与物件・資料

5.保証要件
(1)システムの性能・セキュリティなど

6.契約事項
(1)発注形態
(2)検収
(3)支払条件
(4)保証年数(蝦疵担保責任期間)
(5)機密事項
(6)著作権等

などといった点に注意しておくと良いでしょう。


基本的なRFP(提案依頼書)のポイントは、以上の通りですが、他に留意していく点は、基本的に外注する場合、全て共通して言えるのですが、発注先の企業が外部の企業に下請け・孫請けに出す場合(再委託)には、機密保持がおろそかになりやすく、例えば顧客の個人情報が外部に流出した、などといったトラブルが生じたり、零細企業の中で開発実績にプロジェクト名や内容等が紹介されてしまう、といったトラブルが発生しやすくなります。
こうしたことを防止するためには、発注先の企業には所定の手続きなどを通じて、必ず報告を求めるようにし、トラブルなどの諸リスクは、発注先の企業が負う旨、明記しておくと良いでしょう。

最近では年度も替わることから、情報システム関連の取引先企業を調査しております。最近雑誌の広告などを見てみますと、社名などからどこかの大企業にあるシステム子会社のようなものが増えてきました。
サービス内容など興味がありますので、こうした企業との取引を検討しているのですが、他のシステムインテグレータやベンダーなどとは異なる点はあるのでしょうか?


回答

一言で言いまして、システム子会社の性格によって大きく異なっていると思います。ただ全体的な傾向と致しましては、以前よりも外販などの営業活動が熱心になってきたことは確かなようです。
このようなシステム子会社が、最近外販が多くなってきた理由としては、

(1)親会社の仕事が減ってきた
親会社自身の業績の低迷・リストラなどにより、以前のように親会社の仕事をまるごと請け負って面倒を見てもらえることがなくなってきたことが挙げられます。元々は親会社から部門ごと業務を切り離し、給与体系を子会社独自とすることで人件費を抑制し、単独決算の時代には有価証券報告書から切り離すことが出来、この手の企業が増加致しましたが、最近では連結決算によりこうした子会社も財務状況などをディスクローズする必要に迫られてきたこと、より人件費の安価な中国をはじめとする海外との取引が増加してきたことから、こうしたメリットが低下してきました。

(2)システム子会社における合併・企業買収などによる方針変更
こうした親会社からの支援の減少・業務上の関わりの低下に伴い、組織の存続のためには、グループ内外にあるシステム子会社を吸収・合併して間接部門のコストを抑制したり、営業力を強化するようになってきました。

こうした企業を見分け方についてですが、その会社の現在の状況によって、大きく特徴が異なってくると思いますが、その特徴も以下のように大きく分かれてくるように思えます。

(1)外販を行っていても、実際には親会社からの受託業務が依然多い企業
電力・鉄道・通信会社などの公益企業のシステム子会社などに、比較的多く見られるようです。

(2)外販を積極的に行っているものの、比率的には道半ばな企業
外販を行っていても、その部門内では熱心かもしれませんが、会社としての理解が薄くてバックアップが不十分な場合も珍しくありません。

また社風の堅いところに見られますが、親会社に近い業務のほうが"本流"といった意識が強い場合には、外販向けのサービスは形式的なものになりやすかったり、モチベーションが低下してしまう場合も珍しくありません。

(3)外販がメインで、ほとんど親会社に依存していない企業
ほとんど独力でハード・ソフト販売・システム開発などを行っており、上場もしくは上場予定というところも少なくありません。

比較的注意が要るところは(1)もしくは(2)の一部でしょうか。見積の依頼などでも社内の手続きなどで時間がかかる、顧客とはプロパーの方が担当していても、その上司などが親会社からの出向・転籍などで意思疎通がスムースでない、などの問題点が観察して感じられるようでしたら、慎重に対応していったほうが良いでしょう。

提案書にはどのような点を盛り込んでもらうべきでしょうか?また、どんな点に気をつければよいですか?

 

回答

提案書を依頼する場合には、以下の手順に手作業を進めていく必要があります。

(1)改善点と今後の方向性について、システム業者に明確に伝えること。

(2)内容によっては、機密保持契約を交わしておくこと。

(3)基本として最低3-4社に提案を依頼し、各社の提案書を比較検討すること。比較検討を容易にするため、提案書の項目を統一するには、合同説明会を開くことも有効です。

※提案依頼の際には、より質の高い提案書を求める場合には、内容により異なりますが、1社5~20万円程度の提案費用の支払を推奨致します。


提案書を判断する材料と致しましては、以下の条件を比較すると良いでしょう。

1)予定...進捗状況・プロジェクト体制が論理的に確立されているか。またチェック体制が出来ているか。
2)費用...仕様変更や追加発注した内容は含まれているか。
3)開発体制...開発者のプロフィールや業務経歴・スキルが盛り込まれているか。
4)各種機能とアウトプット...実現できる機能や帳票などが明記されているか。
5)業務の流れ...仕事の流れがどう変わるのか。
6)緊急時の対策...開発中ないしは完成後のトラブルに対し、具体的な対策は検討されているか。

 

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