IT導入前にの最近のブログ記事

前回の続きになりますが、地方都市のレンタルビデオの会社で、前に社長が相談したようですが、自分はその中の1つの店舗で店長をしております。
自分のほうから経営者に積極的に提案し、今後競合に負けないよう顧客管理システムの構築や、社内制度を整備・さらには業績給を中心としたシステムにできれば、と考えております。
ところが、各店長や経営者と交えた打合せを何度もしても、顧客管理システムの目的や仕様だけではなく、今後の課題や計画の策定などが全く決まりません。
このままでは徒労になってしまうことから、今後の対処方法について、何か提案を頂けませんでしょうか?


回答


まず2点ほど質問しますが、
(1)日常の報告・連絡などはどのように行い、また進捗状況などのミーティングは、どのようにしているのでしょうか?
(2)今後の諸課題に対する打合せは、どのような形で進めているでしょうか?

はい。まず(1)は、経営者に毎日電子メールで簡単な報告をしておりますが、日常のルーティンワークの報告が主体で、何か計画自体を立てて行動し、その進捗状況がどうか、ということはありません。
打合せについてはローテーションの関係で、本店で週に1度おおむね全員が集まりますので、その時に、1-2時間行われます。
(2)についても、上で述べましたように、全員が集まったときに、日常の報告・連絡と共に、時には打合せをすることがあります。
その時は、われわれ社員が今後の課題や対策について、色々と意見を出して、何か特定のテーマをまとめていく、といったものではなく、経営者が来て色々なテーマに対して独演会をして、そのまま終わり、といった感じです。
そのため、自分などがいくら経営者に説明して、了解を得ても、1週間経つとまた元の木阿弥になってしまうことも少なくありません。

★回答
大体は理解できましたが、そうしますと必然的に、
(1)日常業務に関する報告・連絡と、今後の計画や懸案事項がごっちゃになりやすい。
(2)内容よりも、ただ全員が集まることに意義を覚えてしまう。
(3)会議や打合せに関する、実際のコストを認識していない。
といった点でマイナスになるのでは、と思います。

正直言いまして、こうした打合せの方法をしていると、何かテーマを持って決めている、というわけではなく、「何となく仕事をした。」という気になってしまい、大変危険なことでもあります。ところが、こうした進め方をしている企業は、最近減ってはいるものの、まだまだ少なくありません。

こうした意思決定のプロセスを踏んでしまうと、単純に時間のムダや、各担当者の業務もありますことから、その機会損失だけではなく、以下のような様々な弊害が出てきますので、まずはその問題点を認識していくと良いでしょう。

※意思決定が出来ない・もしくは遅い企業に共通するパターン

(1)打合せの方向性が拡散し、結論が出ない
現在打合せの議題になっていることが、
○現在時点で解決すべき内容なのか。それとも将来的な問題なのか。といったこと。
○現場レベルで解決できることか、それとも経営者の専権事項なのか。

などといった形で、「どこで」「だれが」といったポイントを把握していないと、結論を出す方向性が拡散してしまい、話が収斂しにくくなってしまいます。

(2)同じことを何度も議論する
1度結論が出たことでも、関係者でメモや議事録を回覧していないことから、再び打合せの際に同じ議題で、再度同じ議論をして空転してしまうことや、何度話し合っても、見解や認識にズレがあった場合は、まとまりがつかなくなってしまいます。
また同じテーマの繰り返しですと、過去の経験や結果の検証などもあいまいになりやすいことから、十分に活かせずに、同じ失敗を繰り返したりします。

(3)内容以前に、一番口数の多いメンバーが、妙な仕事の充実感を得てしまう
経営者自身の独演会に近い打合せの場合、内容がある・なし、内容がない・外れているにもかかわらず、最も発言が多い参加者が、打合せの後には「今日も良い仕事をした。」と勘違いしてしまい、妙な充実感を得てしまう、といった誤った観念・習慣が身についてしまいます。


☆質問
こうした弊害は確かに、当社でも色々と出ておりますので、十分に理解できます。それでは、1つ1つ解決していきたいと思うのですが、具体的にどのようにしたら良いのでしょうか?


★回答
今後、新しいことを始めたり、1つ1つの課題を解決していくためには、以下に挙げる内容を1つ1つ行っていくと良いでしょう。

(1)参加する人員を必要最小限にする
人数を増やすと各個人・各部署の利害も関係することから、守りのためもあって、方向がより拡散しやすくなります。また独演会するタイプの経営者も、人数が少ないほうがテンションが下がりますので、必要最小限な範囲に留めておくと良いでしょう。

(2)テーマ・時間を決める
事前に、打合せを行うテーマをはっきりとしておくと良いでしょう。あいまいだと準備が不十分なことから、時間ばかりかかり、効率が低下します。また時間においても、小さな日常業務程度の内容は30分・経営に関することでも2時間、をめどに進めて、分けて開催するようにすると良いでしょう。

(3)事前に打合せのテーマに関する、書類などを用意しておく
打合せのはじめに、いちいち説明しては時間がかかりますので、事前に実施する内容に関する資料を作成・配布もしくは回覧しておき、ある程度の事前知識を確保した上で、質疑応答などから入れるようにしたほうが望ましいでしょう。

最近では景気の動向が厳しくなっていますが、ひところは好調と言われていた各企業の情報化投資にも影響が出ているのでしょうか?


回答


一時期は不況の中でも、情報化投資は将来的には必要だということで、比較的堅調に推移していましたが、最近では投じた費用に対する効果への見極めが厳しくなっている傾向にあるようです。

具体的に一言で言えば、価格意識が極めて高くなってきたことです。今まで情報化に関しては、利用している企業側にも不安があることから、価格よりもシステムインテグレータ側への信頼性や実績・さらにはトラブルへの対応の速さといった部分に関心が集まりました。しかし昨今では、ハードウエアの価格やサービス・保守料金を重視している傾向が格段に上がっているようです。

このように変わってきた原因は、経済環境が厳しいことも一因ですがそれ以上に、システム構築や運用に対して、ユーザー企業が求めている要求が高まり、「担当者の応対やSEの技術力・さらには利用している製品・サービスが、価格に見合う価値がない」と判断する企業が増えてきたことが挙げられます。逆に今までですとメーカーやシステムインテグレータの言いなりになっていたケースが多かったですので、そうした効果やサービス内容に見合った対応を望む流れになってきたことは、企業側がきちんと判断できるようになり、良い傾向ではないかと思います。

具体的には社内LANの構築やイントラネット・グループウエアや、ホームページの作成といった分野は、既に導入実績も数多くあり、比較的導入も容易かつ効果も見えやすいため、企業規模に関係なく積極的に推進しているものと言えるでしょう。特にLANやネットワーク関係はブロードバンド化に伴い、より費用対効果の高い内容にシフトしたり、事業所のレイアウト変更や引越しなどに伴い比較的堅調のようです。

逆に消極的な分野については、例えばCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント:顧客情報・購買履歴などの管理)やコールセンターなどのCTI、さらには営業力の強化を図るSFA(セールス・フォース・オートメーション)などは、現時点で関心があっても導入には様子を見ているようです。

理由としては、こうした情報化投資は、大企業でも導入に失敗したり苦労している事例が多く、概念だけで実績が少ないことから、即戦力として短期のうちに効果の出るものではないと判断して、見送るケースが多いようです。まさに景気の先行きへの不安感が大きく左右していると言えるでしょう。

現在のデフレ経済の中でも、企業が行う投資の中では、情報化投資は今まで唯一堅調とは言われてきましたが、最近はどうなのでしょうか?


回答

企業の設備投資については、多くの国内企業では国内に再投資せず、より人件費の安い海外に投資を行うか、もしくは様子を見るのが現状になっています。90年代からの情報通信分野の進化に伴い、IT投資は唯一好調と言われていましたが、最近では比較的厳しいのが現状です。

その原因は、主に以下の内容が挙げられます。
1)デフレ経済に伴い、せっかく投資しても経済のパイ全体が縮小している傾向にあるので、マクロ経済の面で投資のリターンの期待が得られないと判断しているため。(最近、景気先行きの不透明感から、こうした要因が増えているように見られます。)
2)(1)と共通していますが、ミクロ経済(企業内部)の面から、導入しても市場の変化が激しく、陳腐化してしまうのではないのか。または、使いこなせないのではないか)といった懸念から、「これだけ経済が厳しいのだから、様子を見よう」ということで、出足が鈍いことも考えられます。
3)アメリカ経済の先行き不透明感によって、日本国内でも影響を受けていること。
4)既にIT投資に積極的な企業にとっては、ひととおり新規の投資などが一巡したこと。
5)大手コンピュータメーカーにとってドル箱である、大規模なシステム投資(銀行・証券・保険業など金融業及び、航空業など)が、業界全体が不況になっている、もしくは業界の整理再編を行っていることから、情報化投資が鈍り、それが全体に影響している。
などが挙げられます。

こうした事態の打開には、補正予算などのマクロ経済面の対策が必要とは思いますが、実際に不良債権問題とデフレ対策について、その方針が決定されるまで時間がかかることが予想されますので、官や景気動向を頼りにするのではなく、新たに需要を喚起するための、色々な試みが大きなポイントになると見込まれます。

1)「個客」のニーズに合う商品・サービスの提供
2)業界全体の範となるようなサービス・商品の提供
3)インターネットを活用するにしても、顧客の滞留時間を長くするよう「コンテンツ(内容)」の拡充
4)経済的・社会的なリスクが強まっているため、そうした不安要因を軽減してくれる、「安心」の提供 など

などが、キーワードになってくると思われます。また需要の喚起と言いましても、安売りでは、価格競争に巻き込まれてしまう可能性が強くありますので、注意が必要です。

昨今ではデフレと言われています。金利が上がらない・給料が上がらない状況になっていますが、デフレになると具体的にどのような影響があるのでしょうか?またどうしてデフレが今までのような事態に至ったのでしょうか?


回答

デフレの場合、各経済主体(主に個人・企業・政府・海外への輸出入)の中では、物価が低下する・土地や株式などの資産内容が劣化していくため、次のような影響があります。

個人→住宅・株式など資産を持つ場合、大きいマイナスに。逆に預金など安全性の高い資産を持っている場合、物価水準全体が低下しているため、ゼロ金利でも実質的な価値は増加している。(イメージはつきづらいですが、5年前の1万円と現在の1万円では、日用品を買い物すると、今のほうがはるかにたくさん買えるのが現状になっています。)

企業→経済のパイ全体が小さくなっているので、売上の見込みが立てづらくなる。資産内容(土地・株式など)の劣化。銀行から融資を受けている場合、担保価値が減少しているので、担保の積増しか、金利の上乗せ(金融機関のリスクが高まってくるため)・もしくは貸しはがし・貸し渋りにつながり、本来優秀な企業でも信用収縮により倒産リスクが高くなる。
また従業員を雇用している場合、売上・利益が低下しても今までの雇用関係のため、急激な給与の引下げ・解雇はモラルの低下を招くため、雇用調整に時間をかけざるを得なくなり、本業のパフォーマンスが低下し、さらにデフレ圧力を招く。

政府→今まで整備した社会資本の資産価値が劣化する。企業収益の低下により、赤字法人が7割を超え税収不足となる。赤字分を補うため国債を発行し、さらに財政難となる。

海外→人件費の安い新興の工業国(東南アジア・中国など)にとっては、デフレ下においてもコスト的に優位のため、さらに輸出攻勢をかけ国内的にはデフレ圧力となる。

結局は、個人(現金資産を数多く持つ場合(一般的には高齢者層))・また終身雇用・年功賃金など日本的な雇用環境が未だに維持されている業種で、雇用調整の比較的緩やかな30-40代のサラリーマン・公務員など)海外部門が比較的デフレの影響が少ないと思われます。
逆に大きなマイナスになるのは、政府・個人(雇用情勢の厳しい20代・企業規模に関係なく企業経営者層)・企業部門全体においては大きな影響を受けているものと思われます。

デフレ経済の理由は、以下のようないくつか理由があると考えられます。
1)インフレと異なり物価上昇がなく、当初は国民にとって物価が下がり「好ましい」と歓迎されたこと。本来の原価・サービス以上に過度に物価が下がることが、企業の業績に影響を及ぼし、ひいては国民自身の職場での環境悪化・生活環境の悪化を招くことは、比較的最近になって認識されるようになりましたが、それまではそうした弊害を省みることは少ない状況にありました。

2)金融機関の不良債権問題。バブル期の不良債権の処理はおおむね処理されましたが、貸し出しを行っても、経済環境が厳しい中では金利以上に収益を産み出すことが難しく、貸し倒れてしまうこともあります。
また相手先企業が貸し倒れてしまった場合、既存の設備は二束三文にしかならず、こうした設備を購入した企業などが、安値で製品を作成し、新たなデフレ圧力を生んでしまう傾向も否定できません。
また企業側も期待される収益が見込めないことから、投資を行わない。今まで借りているお金を繰り上げて金融機関に返済してしまう。金融機関の側も本来借りて欲しい企業が借りないため、利率が非常に低くても国債など安全な資産運用をせざるを得ないことから、お金が循環しない状態となっています。

3)消費者も生活防衛のため、また新たに安く商品・サービスが発行されるかもしれないと予測し、買い控えるようになり、こうした行動が新たなデフレ圧力を生む。

こうした消費者と企業・金融機関の一連のサイクルが、悪循環になっているのが、現状になっていると考えられます。デフレ問題は金融機関や51社リストなどの問題といった供給側の課題というより、消費者が投資を行う企業が、今後の様子を見ている需要側のウエイトのほうが、はるかに大きいと言えるでしょう。そのためには、需要を喚起するような政策や、企業の新商品・サービスなどの出現が不可欠であると考えます。

世間ではITについての話題が多いですが、コンピュータを購入するだけでITの活用ができるのでしょうか?


回答

ITとは情報技術を意味しますが、巷では「ITを導入すれば経営改革が実践できる」のようにとらえていますが、決して容易なものではありません。
ITを推進する目的は、業務効率化や競争優位、利益の増大などにありますが、安易な情報化推進により、単純に機器の導入が目的となって、具体的な効果を生まなかった事例も多くあります。

本来IT化と企業の革新は非常に親和性が高く、きちんとした計画に基づいて行うと高い効果を生みますので、以下のように、目的及び計画を明確にしてから着手することをお薦めします。

1)目的を明確にする
業務の効率化か競争力の増大か、それとも商機の拡大なのか、シナリオを描く必要があります。例えば現状の課題を改善する場合と、新規にインターネットビジネスを展開するのであれば、目標もシステム構成も異なってきますので、目的の明確化が肝要です。

2)目標を具体化する
自社の現状レベルを検証し、具体的にどの範囲で情報化を推進するか、その目標をどこに設定するかを事前に決めていきます。

3)システム構成を検討する
目的や目標を実現するために最適なシステムなどを選定します。

4)予算やスケジュール通りにシステムを構築する
予算やスケジュールを決定してから導入を図ります。

5)システム導入の効果測定を行う
システム導入後に情報化の目的がどの程度達成されているかどうかをチェックします。この効果測定によって、何らかの問題点が生じた場合にはその部分の修正を検討しましょう。

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