IT投資公的助成編の最近のブログ記事

3月いっぱいで間もなく会計年度が終わり、新しい年度がやって来ます。その際には、年度末と年度始めに多い、公的助成を使って、システム投資をしてみたいと考えておりますが、何か効果的なものはありますでしょうか? 
 

回答 


年度末前後といいますと、比較的目的がIT投資に限定され、助成額の大きな、経済産業省(実施は各地方の経済産業局)による、「IT活用型経営革新モデル事業」の検討はいかがでしょうか。
ただし、今年(平成16年度分)は時期及び内容が変更になりましたので、注意して行く必要があると思います。


また内容においても、今までは各地域の団体などが比較的多かったのですが、今回からは、製造業のIT化を十分に意識したものとなっています。

特に、
(1)設計や製造段階における品質の向上
(2)納期の短縮を目指すCAD/CAMの活用
(3)企業活動を最適化するため、ERPなどの基幹業務管理システムの構築

など、先進的なモデルを重点的に支援する枠組みを持つようになりました。中小企業のIT化に関して、他者の範となるような事例に優先的に補助されることとなり、またITコーディネータや中小企業診断士などといった、外部の専門家の活用も、予算などで使いやすくなったと言えるでしょう。


重点モデルや先進的とされる重点項目は、以下のものが挙げられます。

(1)CAD
コンピュータを用いた、建築や工業製品の設計業務を指します。
(2)CAM
コンピュータを活用した、生産ラインの制御を指します。
(3)SCM
製造者から消費者までを結ぶ、開発・調達・製造・物流・販売までの流れを、コンピュータによって把握し、情報の共有化して、期間の短縮化や在庫の圧縮を行うなど、最適化する情報システムを指します。
(4)GIS
地理に関するデータを管理し、視覚的に表示して分析できる、地理情報システムを指します。
(5)GPS
人工衛星から送られてくる電波を利用し、地上の位置を求めるGPSを活用して、アフターサービスの迅速化などを実現する情報システムを指します。
(6)モバイル
携帯電話など情報携帯端末を使って、オンライン会議や情報の送受信を行うシステムです。
(7)電子決済
企業間決済を電子的に行うシステムを指します。
(8)ERP
財務・物流・在庫管理などの基幹業務を、一元的に管理していくためのシステムを指します。
(9)ASPサービス
各種アプリケーションを、インターネットを通じて利用できるサービスを指します。


要は経営革新をもたらすような、斬新さが問われる内容を比較的重視する、といったことでもあります。過去の事例の採択事例や書類審査のパターンなどを見ますと、業種業態も千差万別でその内容も様々でしたが、提出する企業側にとっても、ある程度目的や方向性といったものも、より分かりやすくなったものと言えるでしょう。
また確実に成果が発揮されるよう、導入後の普及活動も併せて実施されます。


助成される金額や助成率、さらには採択される度合いについては、下記の通りです。平成16年度予算案が国会で通過されることが前提となりますが、主な概要は、以下のようになります。

助成される金額:1件あたり300~3000万円(経営革新事業の場合)
助成率:補助対象経費の1/2以下
採択率:昨年・一昨年などの事例を見てみますと2割半ば弱といった、野球の打率くらいと常に説明しておりますが、それ位と認識頂けましたらと存じます。

また16年度予算から、15年度は総額で7億円でしたが11.8億円と大幅に増額されましたので、チャンスがより広がったものと思います。


採択されるためのポイントは、まずは書類審査が先に行われますので、それが通過することがまず先決になります。

意外と、求められている書類が揃っていないなどの不備や、内容が間違っている、本来の質問に答えていない、などといったミスが多く、そうした形式的なミスで初めの段階で1/3程度がはじかれてしまうといった、もったいないことが少なくありませんので、内容のチェックは欠かさずに行っていくと良いでしょう。

書類審査で通る、主要なポイントは、以下のようになります。

1.新規性
(1)内容そのものにアイデアや斬新さがある。
(2)業種・業態が抱える課題を解決するものとして、期待される。
(3)他社の範となり得る。

2.実効性
(1)社内の体制や外注管理などの実施面で、遅延もなくスムースに進むよう、
(2)実施後の効果測定や検証まで、考慮に入れている。

3.重点項目
(1)上記で述べましたような、重点項目が入っているか。
(2)仮に入っていない場合でも、アイデアに優れて経営革新の効果があるか、アピールすれば可。

4.社会性・地域性
(1)地域や他企業のIT化を推進しうるモデルになるか。


他のポイントとしては、簡潔かつ明瞭に(所定の書式で10枚少し程度)説明していくことが、大きなカギになっていくでしょう。

当社でも昨年、同事業の申請書類の作成を代行し、書類選考を通過致しました経験を持っておりますが、斬新さも重要ですが、計画が確実に実施されるための内部の体制が十分なのか、その熟度も大きく求められます。

基本的に中央官庁による公的助成は、助成額は大きいですが、選考自体は厳しくなりますし、仮に書類選考が通過しても、プレゼンテーションや面接などで経営者ご自身がきちんと説明できる、またそうした熱意や計画の熟度、資金内容の内訳などが明確であることがポイントになります。

書類の書き方がわからない・自信がない・逆に作成したものの、第三者によるアドバイスや、さらに改良を図りたい、といったご要望、ご相談がありましたら、お気軽にお問合せ頂けましたらと思います。

助成金は、一見便利なように見えるのですが、企業や商店街を対象とするものだけではなく、中央官庁が自治体に対するものまで、ある意味ではムダと言えるものも存在する印象を受けます。
どうしてこのような事態が、生じるのでしょうか? 

回答

 

行政が関与する助成金の事業や、あるいは行政自身が実施するシステム構築などの事業では、ムダが発生しやすい環境にあるようです。

その理由は、以下のような内容が挙げられます。

(1)財源確保が困難
最近では税収が大きく低減していることから、財源の確保が年々厳しくなっており、逆にそのことから、
・中央官庁や自治体では、補助事業を行う際に。
・また補助事業の対象となる企業や、商店街などの組合は、申請をする際に。

双方ともにムリをして、予算を「取れるうちに、取れるだけ取る。」といったことが常態化することから、余計ムダが生じている傾向にあるようです。

そのため予算確保が可能な間に、将来の必要性やあり得る可能性まで含めて、システムを構築するために予算を確保しておきたい、といった意向が顕著となり、ふくれあがる傾向にあるようです。

(2)元々ハードウエア指向が強い
そもそも、こうした補助事業自体が、後の段階でトラブルになっても良いように、資産として残ることの大きなハードウエアに限定されていることが多いことから、ハコモノ重視になっている例も少なくありません。

☆質問
本来こうした投資は、企業社会での常識は「小さく始めて、大きく育てる」が原則ですが、その逆を行っているわけでしょうか?


★回答
はい。本来ですと経済環境の変化などに伴う投資リスクを軽減するためや、費用対効果を高めるために、「小さく始めて、大きく育てる」ことが常識になっています。ところが公的な助成金を使う場合には、往々にして「大きく始めて、育てきれない」結果になりやすい傾向が見られます。

最終的に、ITに関する予算を執行し、効果を検証可能なよう、官の側でのCIOなどの必要性が言われておりますが、ようやく経済産業省などでも民間からスカウトして、こうした取り組みが始まりつつあります。
ただプロパーについては、元々の公務員試験の性格として技術職が少なく、(あっても建設や道路など)いわんや情報システムを専門とする公務員は、特にキャリアでは極めて少ないですので、今後情報化社会の進展に伴い、統括的に企画立案できる官側の存在や、さらには投資が適正に行われたか、チェックする人員や組織などが求められるでしょう。


☆具体例
人口20万人の地方都市における、商店街の組合に関する具体例です。
元々鉄道が引かれていた駅前の商店街ですので、明治末期から昭和40年代まで実に200店舗以上が軒を並べて栄え続けており、地域経済と暮らしに大きく貢献してきました。
しかし、国道のバイパスが郊外にできたことから、全国チェーンの大きな店舗が相次いで参入し、さらに駐車場などの充実で交通アクセスが便利なこともあって、お客さんの流れが大きく変化し、各店舗では売上げ低下に悩まされてきました。
このことから約半数の店舗は廃業して店舗を閉じ、さらには後継者もいなくなったことから、空き店舗も増えて「シャッター街」になりつつあることから、さらに商店街の魅力を奪い、利用者も減るといった悪循環にも結びついています。

そうした状態の商店街組合に対して、情報システム構築と運用支援事業を行う会社が、県の商店街新興・活性化に関する助成金事業の申請と書類作成の代行と併せて、Webサイト構築を売り込んできました。

仮に応募したプランが承認されると、事業費の半額(50%)が支給されることから、これを機にWebサイト構築による情報発信と、会員制のポイントカード制度による顧客の囲込みを行わないか、といった提案でした。

提案のあった会社は、今までこうした実績があったことから、藁もすがる思いだった理事長や各理事が前向きになり、また、補助金によって組合員の資金的な負担も軽減される上に、メリットを公平できることも、大きなポイントでした。

ところが提案された内容を打合せすると、コストの高さに関する問題点が浮上してきました。

すなわち、単純に情報を発信するだけのホームページ作成だけに、約1000万円と見積があり、その内訳を見ると、

・すべての店舗に取材して、均等にホームページを設ける。
・パソコンと携帯電話用、両方とも作成する。
・5ページとすると、1店あたり10万円で、100店なので1000万に。
・さらにレンタルサーバ代として、設定費が100万円、月に1万円が加わり、総額で1千数百万となっていました。

商店街の店舗は、生鮮品などインターネット向きでない場合もあり、均等に全店舗の情報を発信する意義がないことや、初期費用が大きく簡単には回収できない、などがネックになり、ホームページだけではなく、イベント開催などの販促費と双方に費用を割りふっていったほうが効果があるのではないか、と協議しました。

すると業者もそのことを率直に認め、助成金に関する制度の注意点や問題事項などの説明を、以下のように受けました。

・助成金自体が基本的に、どんな効果的なものと認められても、一過性のイベントなどの費用が認められておらず、使途が硬直化されている。
・ある一定期間に使い切らなければならないことから、初期費用を高くし、運用費用を下げたほうが得である。

といったことから、結果としてその効果は限定的だったものの、計画を策定したうえで県に提出し、助成金の交付を受けることになりました。

 

弊社のホームページを開設し、今まで頂きましたIT投資及びその他の公的助成に関して寄せられた質問やお問合せなどをここで簡単に回答し、Q&A形式でまとめることと致します。
なお、頂きましたご質問全てに回答しているわけではありません。  

回答


★質問
仮に助成金が採択されたとしますと、その会計上の扱いと着金されるタイミングはどのようになるのでしょうか?


☆回答
会計上の扱いは「雑収入」になりますので、認められた内容で必要な内容については会計年度内に全て実施していくと良いでしょう。
ほとんどの助成金(新規事業に関する一部のものを除きますが)は採択されてから実際に必要な設備資金・外注費など必要経費を費消して、そうした工事や設備導入などが確実に実施されたのを確認してから着金される「後払い」となりますので、資金繰りなどを留意していくと良いでしょう。


★質問
個人事業者ですが応募資格などに出ています、「中小企業または個人事業者」と出ていますが、何か採択などに差異があるのでしょうか?


☆回答
多くの助成金などではその公募条件で、「中小企業または個人事業者」と出ております。
雇用関係の助成金ですと、公募条件と書類の体裁・内容・実態が整えられれば、特段関係ありませんが、ビジネスモデルや経営革新・研究開発に関する助成金については、実質的には中小企業がほとんど多数を占め、個人事業者の採択はきわめて少ないと言っても良いでしょう。


★質問
申請書類の記入要綱や用紙などを見ますと、研究開発や新規ビジネスモデルといった場合には、新しい内容や専門的な内容が必然的に多くなってしまうのですが、そもそも各官庁や自治体などの担当者が内容を見て、理解し判断が出来るものなのでしょうか?


☆回答
選考の流れについてですが、まず担当者が必要書類の用件などを満たしているかを確認し、次いで内容について誤りがあるかどうかをチェックするようです。ここで3分の1から多い場合は半分くらいが、はねられてしまうこともあるようです。
それから実際に案件の内容を審査していくようですが、この場合には官庁や自治体からの依頼を受けた技術士や中小企業診断士などが入って専門的な内容などを審査し、何人かのチームによって書類選考の通過・不通過を選考するようです。


★質問
こうした公的助成の公募に際して、書類選考だけで通るものなのでしょうか?


☆回答
少額の内容・及び雇用関連の内容については、書類選考だけで採択・不採択を決定するものもありますが、より額の大きな案件・新規事業などの内容などの多くは、実際に代表者及び担当者などの面接や、プレゼンテーションなどを行い、実際に計画の熱意や熟度などを見極めてから決定するようです。


★質問
当初の書類審査において、担当者はどのような箇所をポイントに見て判断しているのでしょうか?


☆回答
まず第一には上記で申し上げましたように、書類の不備や内容の誤り、設備資金の明細表や経営計画表に誤りがないかをチェックします。
そうしたミスが無かった場合の選考のポイントについては、公募の条件・内容について異なってきますが、優先して考えられるのはまずは「現実的にプロジェクトとしてやっていけるのか・実現できるのか」ということです。
実際のところは後払いの形ですが、実施する側から見るとあげてしまう形になりますので、助成が行われてから倒産してしまってはどうしようもありません。
現実に行われるであろう妥当性などを判断するため、収支計画や販売の見込み先・売上の予測などを綿密に検討すると良いのではないでしょうか。

ただし研究開発や商品開発など、「先端」「個性」「独創」「斬新」などのキーワードが織り交ざっている場合には、夢やロマンのある計画のほうが受けが良い場合も生じているようです。


★質問
採択される件数・確率というのは、具体的にはどのような感じなのでしょうか?


☆回答
少額の内容や雇用関係の助成金の場合は、内容が適切で書類の不備や誤りがない場合には、おおむね通る可能性が高いと認識しても良いと思います。
しかし、自治体ではなく国の中央官庁やその関連団体が実施する高額の公募や、経営革新や商品開発・研究開発に関する内容については、良くても「野球の打率」くらい、より厳しい場合は一ケタ代の確率になるなどの厳しい内容であることを認識しておくと良いでしょう。


★質問
官庁・自治体の会計年度は4月から翌年3月までですが、設備工事などで年度をまたいでしまう場合、大丈夫なのでしょうか?


☆回答
現実に会計年度は存在していますが、完了時に支払われることから、年度をまたぐことになっても原則は問題はありません。


★質問
申請する額は、あえて大きいほうが良いのでしょうか?


☆回答
これも実施する立場の考え方によって、異なってくるようです。
例えば、
・助成金額:100万円以上300万円以内
・助成比率:2分の1

という場合、200万円以上600万円以下のプロジェクトがその範囲になってきますが、仮に担当する部課で予算総額を3000万円取っている場合、1件100万円の助成なら30件の採択が可能ですが、1件あたり300万円の場合、10件のみになってしまいます。
原則として応募してきた以上は、なるべく広く採択したい・高額の助成を行った場合、その後倒産したらムダになる、という判断からか、あえて少額のほうが採択されやすいようです。


★質問
助成に関して難易度とかあるのでしょうか?


☆回答
上記の内容とも関係しますが、少額の内容・また募集している官庁・自治体においても、都道府県と市区町村の場合ですと、より身近で法人住民税などを完納している(滞納は公募条件から外れることも少なくありません)市区町村のほうが採択されやすい傾向にあるようです。
全体的に各地域の経済産業局や官庁などの中央機関になるほうが、より難易度が高くなってくると認識したほうが良いでしょう。

ソフトウエア開発の会社に勤めております。社長から研究開発に関する経済産業省や中小企業総合事業団などが実施している助成金制度などを使って、資金調達をするように、という指示がありました。
したがって、社長からの指示により調達する費用を極力大きくするように、該当すべく新規開発の事業規模を本来行っている開発内容から大幅に膨らませ(水増しとも言っても良いのですが)こうした研究開発に関する設備投資・人件費・外注費などを大きく見積もりの上、書類を提出しました。
こうした内容は、法律には触れないのでしょうか?
 
回答
 
  
まず結論から言いますと、法律違反となる可能性が高いと考えます。最近では金融機関の自己資本比率の拡大に伴い、貸出資産を圧縮する現象(いわゆる貸し渋り・貸しはがし)が横行し、資金調達自体が厳しいことから、こうした公的助成を資金調達の1つの手段と認識して、行ってしまうケースが多発しているのが現状です。
以前に雇用関連の助成金において、不正受給が後を絶たないことから、提出する書類内容が増えたり、審査自体が厳しくなってきております。


この事例では、社長からはは「水増しでの助成は厳しく、難しい」との報告は上げているのですが、「別に現金に色をつけるわけではなく、使途を事細かに報告するのではないのだから、とにかくやれ。」と強く言われているとのことでした。
こうしますと会社勤めの身となりますと、何もしないわけにもいかなくなってきます。


しかしながら、こうした指示命令自体が、まず違法性の高いものであると判断せざるを得ません。経営者の中での判断では、助成金関連の公募書類をきちんと目を通して理解している例は少ないですので、自分の勝手な判断と価値観で、何となく「ウチでもこの公募に合ったような、似た事業があるので、とりあえずやってみよう」といった、極めて軽い動機で取りかかる事例も少なくありません。
こうしたことから、公募内容に記載している注意事項や但し書きなどを無視して、取り掛かってしまうことも多いようです。

まずここにある発言している内容でも、誤っている適切ではない箇所があります。

(1)現金に色をつけるわけでなし・・・
ですが、実際に研究開発や新規事業などの公的助成の場合、実際に事業を行ってからの後払い形式の上、必要経費を当初から事細かに見積もり、その根拠なども書類及び面接などで聞かれます。
さらに、実際にその通り使われたかどうかもチェックし、仮に変更があった場合には書面で報告書を提出の上、各地域の担当窓口までその承認を得る必要が出てきます。また定期的にプロジェクトの進捗状況などを報告しなければなりません。
実際に現金に色をつけるわけではないですが、かなり「現金に色をつける」に近い内容となっていますので、注意が必要です。

(2)使途を事細かに報告するわけでなし・・・
これも前段の内容と一部重複致しますが、事前の必要経費の算定・実際に公的助成が適用されるプロジェクトを実施した結果、売上・利益などの効果がどのくらい出たのか、といった効果などを算定し、提出する必要がありますので、経費・経営計画双方とも、事細かに報告する必要が出てくることを認識するべきです。
計画が採択されて実際に予算を執行する際にも、変更点があった場合には、ただちにその旨を報告し承認を得る必要があります。


過去の不正受給に関する主な手口としましては、比較的書類選考などが緩かった時や知名度などが低かった場合には、以下の内容が多かったとされています。

(1)架空の法人を作り、実態がないにもかかわらず助成金の申請を行う。
(2)架空の研究開発・設備投資など、目的を偽って申請を行う。

最近ではこうした実態のない法人・事業などは、書類選考・面接・現場視察などに伴って大幅に減少している、もしくは始めの書類選考からはじかれることが増えてきていますが、逆にご相談がありましたように、実際に研究開発などの事業を行うにしても、こすっからい手法ではありますが、その経費などを水増ししている例が増えているようです。

すなわち、
(3)営業実態がある場合でも、水増しして請求している。

なのですが、
(4)設備投資を通じた助成制度の場合、通常の投資の差異に業者から金額を水増しした領収書を発行してもらい、新規事業に伴う設備投資に見せかけ、受給している。
(外注費もしくは委託費の水増し)
(5)人件費・会議費・出張旅費などの認められる事例では、あらかじめプロジェクトに参加する人員などを増やしておき、実際には計画に参加していない社員でもメンバーとして計上しておき、その人件費・交通費などを計上する。
(6)情報通信関係や、アイデア性のある新規事業に関する助成事業で多い、通信費やプロバイダ料金・電気料金などの光熱費において、該当する事業に相当する、按分比率の助成が認められているものの、それを過大に見積もる。
(7)ハードウエアなどの機器のリース料金を、過大に見積もる。
(8)経費の明細書では、消費税を除いた額を計上するようにされているものの、消費税額をあらかじめ上乗せしてしまう。

といった手法が増えているものと見られます。ただし、こうした算定根拠は細かく精査されますので、疑いの強いものや消費税の計上などで誤っているものに際しては、初めから書類選考の段階ではじかれますし(総提出書類のじつに3割程度が、書類提出部数の不足・記入誤り・内容誤りなどで当初の段階から、はねられてしまいます。)仮に不透明な内容のものがありましても、面接・ヒアリングなどによって、チェックされるようになっています。
また外注費などは、額が大きくなりやすいことから、発注先・そのコスト・業務内容・選定理由などもチェックされますので、後の段階でつじつまを合わせるために、架空の領収書などを起こしてもある意味で「無駄な努力」と言えるでしょう。

いずれにしましても、本来の内容以外に事業内容を水増ししても、書類選考・面接などを通じて、不採択となる確率は高いといえるでしょう。また少なくとも過去の内容とは異なり、採択自身が非常に厳しくなっており、仮に不正などが発覚した場合には、そのペナルティが極めて大きいことを認識すべきです。

こうした場合には、現実的にペナルティを受けるおそれが非常に高くなります。
具体的には助成金が採択されて補助金を受け取り、そうした事業そのものが架空だった、もしくは外注先などから水増しで領収書を起こしていた、などということがわかると、犯罪行為ですので補助金適正化法または詐欺などで、経営者及び幹部などが逮捕されている例が相次いでいますが、その多くは一罰百戒の意図もあり裁判の結果も執行猶予のつかない実刑が出ることが多く、厳しい罰則によって処罰されています。
また助成金額も即時返還もしくは、それ以上に徴収する事例も出ています。

こうした企業犯罪では、雪印乳業の事件や裁判を見ても、現場の担当者や責任者が逮捕・処罰を受けており、経営責任として社長個人が逮捕されないこともあり、また法人が犯罪による処罰を受けたとしても、法人はヒトではないことから懲役や禁固はありえずに罰金刑のみだと、たかをくくる経営者もいるかもしれませんが、補助金適正化法の場合は、経営者が逮捕・処罰されることが多いですので、甘い見通しによる行動は控える
べきであると考えます。

我が国はバブル崩壊以降の不況が長期化し、国全体が活気を失っていますが、その一因として各界の指導者層のリーダーシップの欠如と、職業人の職業倫理の低下なども、無視出来ない事実として存在しています。
公的助成の原資は言うまでもなく税金であり,その使用は今後付加価値が増えると認められ、雇用・設備投資・税収の増加などにつながるものを中心に採択されていますが、あくまでも国民の負託に応えるものでなければなりません。したがってその経理などを適正に行う義務があることを認識すべきです。

間もなく決算期を迎え、若干利益が出そうな見込みですので、そのまま税金として納めてしまうのは芸がないと思い、新聞などで出ております、今年からIT投資促進税制が始まったとのことですが、制度や内容を教えてください。
 
回答
 

  
以前のメールマガジンにおいても掲載致しましたが、平成15年度の事業年度より税制改正に伴って今年1月から2006年3月末までの時限措置の中で、以下の情報機器に対して、取得価格10%の税額控除もしくは50%の特別償却が選択可能ということから、社内の利益状況に応じて決められると良いでしょう。

1.電子計算機
2.デジタル複写機
3.ファクシミリ
4.ICカード利用設備
5.ソフトウェア
6.デジタル放送受信設備
7.インターネット電話設備
8.ルーター・スイッチ
9.デジタル回線接続装置

適用要件は、購入価格が資本金3億円超の企業の場合、ハード・ソフトとも600万円以上、3億円以下の企業はハードが140万円以上・ソフトが70万円以上となります。また控除限度額は、法人税額の20%までとなります。

こうした制度を導入する政府のねらいとしては、IT投資を通じて、国内企業全体における事業の効率化・経営革新及び他社との競争力向上を図ることを目的に、総額6000億円規模で行う、大規模な減税といえるでしょう。現在のIT投資の実情は、80~90年代のアメリカ企業の状況に近いと判断されていますが、アメリカでは90~92年における不況回復の過程で、IT投資がそのけん引役を果たしたことから、日本においても同上の効果を図ろうとするものです。

今年からの事業年度で購入したIT関連のソフト、ハードの償却を単年度で大きく償却できることから、ある意味で「法人税を払う代わりにコンピュータを買いなさい」といった内容に近くなっています。

しかしながら、1999年~2000年頃のITバブルのときのように、パソコン減税などの制度を活かして色々と設備を導入したものの、利用状況に至っては現場にほとんど定着せず、投資としての効果に疑問があった例などがありました。
日本でのIT投資は欧米や、他のアジア諸国と比べて立ち遅れており、加えて業種によってその導入状況には大きな差異があり、多くの業種には広がっていない状況にあります。
具体的な例として、第一に業種別IT投資の日米比較を挙げますと、アメリカでは対事業所サービス・通信業・教育及び医療サービス業及び金融保険業・流通業においてその数値が高いのに際し、日本では電気機械・金融保険・運輸通信・精密機械と業種に差異があるのみでなく、投資比率も98年度統計ではアメリカが6割から8割を超えているにもかかわらず、日本では3割弱から5割程度と低い、ということが挙げられます。

その理由としては、コンピュータやシステム開発の価格が高くて導入できない、または技術革新が早いことから様子を見ている、という要素は少なく、むしろ「社内で使いこなせない」「費用対効果に疑問を感じる」といった内容が多く挙げられます。

その理由はマネジメントの問題によるところも大きく、かつては経営トップなどの関心が薄いことが主因として取り上げられましたが、最近ではIT化とはあまり縁のなかった業界や、今までは東京一極集中だった情報化の現象が地方企業にだいぶ広まりつつあります。
また最近の経営トップはおおむね情報化に対する興味・関心が高くなっている傾向にありますので、要は「効果が見られれば、投資することはやぶさかではない。」といった流れに変わりつつあるようです。

問題点は、社内・社外において、いくつか挙げられるのではないかと考えられます。
要因を一部取り上げますと、

(1)今までリストラ・人員削減などで10年近くやってきたため、「情報化」と言えば「首切り」「人減らし」の方策と現場で認識されてしまい、あまり流れが進んで来なかった。
(2)SCMやCRM・ERPといった海外からの横文字の概念ばかりが、イメージ先行でそのまま輸入されてしまい、わが国の産業構造・ビジネスモデルを主体とした新たな構造が十分咀嚼されていない。


今後は日本独自の競争力を持ったビジネスモデルの確立とともに、利用される現場においても変化を先送りし避け続けてきたことから生じている、90年代からの「失われた10年」だけではなく、オイルショックを上手く乗り越えてから油断した80年代の「何もしなかった10年」の20年間を猛省の上、新たな変化にポジティブに対応していくことが求められるでょう。

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